南部鉄器は、岩手県を代表する伝統工芸品であり、奥州市水沢と盛岡市で作られる鉄器の総称です。
旧伊達藩である水沢と旧南部藩である盛岡とでは、異なる歴史のもと現在に至ります。
水沢の南部鉄器の歴史は、約950年前まで遡ると言われ、平安時代に近江の国(現在の滋賀県)より鋳物師を招き、生活必需品である鍋・釜を鋳造させたのが始まりとされます。
当地方で、良質な鉄資源、木炭、粘土、川砂が容易に手に入り、鋳造に適した土地柄であったことや、江戸時代には旧伊達藩の保護を受けるなど、その鋳造技術を脈々と受け継いできました。